ハラスメント対策の一環として相談窓口を設置する企業は増えていますが、窓口が存在するだけでは充分な効果を発揮できません。相談窓口を本来の役割として機能させるためには、周知の徹底や相談しやすい環境づくり、相談員の対応力向上が重要です。本記事では、ハラスメント相談窓口が機能しない主な理由と具体的な改善策について解説します。
ハラスメント相談窓口が機能しない主な原因
ハラスメント相談窓口は、従業員が安心して働ける職場環境を整えるために欠かせない仕組みです。しかし、窓口を設置しているにもかかわらず、相談件数が少ない、または相談がまったく寄せられない企業も少なくありません。
相談がないからといって、必ずしもハラスメントが発生していないとは限らず、従業員が相談窓口の存在を知らなかったり、利用への不安を感じていたりする可能性があります。
相談窓口を実際に機能させるためには、制度を整えるだけではなく、従業員が安心して利用できる環境づくりが重要です。
相談窓口の周知不足が利用を妨げる
ハラスメント相談窓口が利用されない大きな原因のひとつが、従業員への周知不足です。窓口を設置していても、連絡先や利用方法が分かりにくければ、従業員は必要なタイミングで相談できません。
相談窓口は設置することではなく、必要な人が迷わず利用できる状態にするのが重要です。定期的な情報発信や入社時の案内などを通じて、従業員に継続的に周知する取り組みが求められます。
相談したくてもできない心理的な壁がある
相談窓口の存在が知られていても、実際の相談につながらないケースがあります。その理由として挙げられるのが、従業員が抱える相談しづらさです。
「相談しても状況は変わらないのではないか」「相談したことで不利益な扱いを受けるのではないか」「相談内容が周囲に知られてしまうのではないか」といった不安があると、問題を抱えていても相談をためらってしまいます。
相談員の不安や対応スキル不足も課題になる
相談しづらい環境を生む要因は、従業員側だけにあるわけではありません。相談を受ける側である相談員の不安や経験不足も、窓口の機能低下につながります。
相談員が不安を抱えたまま対応すると、その戸惑いや緊張感は相談者にも伝わります。その結果「相談しても充分に対応してもらえないかもしれない」という印象を与え、相談窓口への信頼低下につながるおそれがあります。
ハラスメント相談窓口に相談しやすい環境を作る方法
ハラスメント相談窓口の形骸化を防ぐためには、継続的に情報を届け、必要なときに誰でもすぐ利用できる環境を整えることが重要です。
日常的に目に入る場所で継続的に周知する
相談窓口の認知度を高めるには、従業員が普段から情報に触れられる仕組みづくりが必要です。たとえば、社内ポータルのトップページに相談窓口へのリンクを常設したり、社内報やイントラネットを活用して定期的に案内したりする方法があります。
また、休憩室や更衣室など、多くの従業員が目にする場所へ案内を掲示することも有効です。
入社時や研修を通じて利用方法を伝える
新入社員や中途入社者は、職場の相談制度について充分に把握できていない場合があります。そのため、入社時のオリエンテーションなどで相談窓口の役割や利用方法を必ず説明することが大切です。
さらに、管理職研修のなかでも相談窓口の重要性を共有することで、管理職自身が適切な対応を理解し、従業員が相談しやすい環境づくりにつなげられます。
安心して相談できることを明確に伝える
相談窓口を利用する際、従業員がもっとも不安に感じやすいのが「相談したことで不利益を受けるのではないか」という点です。相談したことによる不利益な取り扱いはないことや相談内容が適切に管理されることを明確に伝える必要があります。
ハラスメント相談員研修で信頼性を高められる
ハラスメント相談窓口を有効に機能させるためには、相談を受ける担当者の対応力を高めることが重要です。相談員の知識やスキルが不足していると、相談者が不安を感じたり、適切な対応につながらなかったりする可能性があります。
そのため、ハラスメント相談員研修を実施し、相談対応に必要な知識や実践的なスキルを身につけることが、相談窓口への信頼向上につながります。
ハラスメント相談員研修で身につける知識と対応スキル
相談員には、ハラスメントに関する正しい知識だけではなく、相談を受けた際の適切な判断力が求められます。研修は、関連する法令やガイドラインの理解、相談を受けた際の初期対応の流れ、記録の作成方法や情報管理のルールなどを学べる内容です。
また、就業規則にもとづいた対応方針の確認により、組織として一貫した対応ができる体制を整えられます。さらに、相談者の話をていねいに聞く傾聴スキルや相談員として対応できる範囲の境界線の引き方、感情的になっている相談者への対応方法、事実確認の進め方なども習得可能です。
実際の相談場面で必要となる能力も身につけられます。
ロールプレイ研修で実践的な対応力を養う
ハラスメント相談対応では、知識をもっているだけでは充分ではありません。実際の相談場面では、相談者の感情や状況に配慮しながら適切に対応する力が必要です。
ロールプレイ研修を取り入れることで、相談員は実際の相談場面を想定した練習ができます。相談者への言葉の選び方や沈黙への対応方法、ほかの相談員の対応から学ぶ機会を得られるため、初期対応への不安軽減にも効果的です。
また、実践形式で経験を積むことで、相談者に安心感を与えられる対応力を身につけられます。
組織全体で相談窓口を支える仕組みづくりが重要
相談員の研修だけではなく、相談窓口を継続的に機能させるための組織的な取り組みも欠かせません。たとえば、相談窓口の定期的な周知、利用しやすい連絡手段の整備、相談対応ガイドラインの作成などが挙げられます。
さらに、相談員同士で情報共有を行う機会を設けたり、相談員自身を支援する体制を整えたりすることも重要です。必要に応じて外部専門家によるスーパービジョンを導入することで、難しい相談にも適切に対応できる環境を構築できます。
まとめ
ハラスメント相談窓口は、設置するだけでは充分な効果を発揮できません。従業員が安心して利用できるよう、継続的な周知や相談しやすい環境づくり、相談員の対応力向上が重要です。相談窓口を信頼される仕組みへと育てることで、ハラスメントの早期発見や職場環境の改善につながります。企業全体で適切な体制を整え、誰もが安心して働ける職場づくりを進めていきましょう。
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引用元:https://www.safetynet.co.jp/
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会員数:150万人
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