近年、パワハラが問題視されていたことで2022年からパワハラ防止法というものが義務化されました。これにより、多くの企業でハラスメント対策の強化が求められるようになりました。しかし、依然としてパワハラによる問題は無くなっていないのが現状です。今回は、そんなパワハラを起こす上司の特徴や、その対応策などについて解説します。
パワハラ上司の特徴
パワハラの被害として多く挙げられるのは、会社の上司からのパワハラです。会社内のパワハラなどは度々ニュースでも取り上げられており、パワハラを受けた被害者が自殺してしまったという最悪のケースも存在しています。
そのような結果にならないように、まずこちらではパワハラ上司の特徴について、いくつか解説します。パワハラの被害者や加害者にならないように、十分に理解しておきましょう。
感情の起伏が激しい上司
感情の起伏が激しく、コントロールが難しいタイプの上司には注意が必要です。このようなタイプは自分の機嫌次第で部下に八つ当たりしたり、部下が少しミスをしただけでも執拗に責め立てるような言動を行うことがあります。
また自分の思ったとおりに物事が進まないと、すぐに機嫌を悪くしてしまうなど、感情のコントロールがうまくいかないような上司には十分気をつけましょう。
自分の評価しか気にしない上司
このようなタイプは、自分の評価を優先にして部下や周りの同僚を利用できるだけ利用するような道具の扱いをする上司です。道具のように扱っているため、部下の都合を考えません。
目的を達成するためには、部下が体調を崩しても気にせずに利用するといった面があります。この手のタイプは問題を隠蔽することに長けているため、問題が表に出ないケースもあって非常に厄介といわれています。
パワハラに該当するか判断するには?
次に、パワハラに該当するかを判断するための基準などについて、解説します。自分では気づかないうちにパワハラを受けている場合や、上司の行動で嫌な気持ちになっていてもそれがパワハラなのか判断できず、苦労している方もいるかもしれません。下記では、そんな方のためにパワハラの定義や問題になりやすいパターンなどを詳しく解説します。
パワハラの定義とは?
こちらでは、パワハラの定義について解説します。厚生労働省が発表している指針によると、職場における優越的な関係を背景とした言動・業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動・労働者の就業環境が害されるような言動という3つが全て当てはまった場合、パワハラになるといわれています。
上司の口調が厳しい
上司の口調が厳しいと落ち込みやすくなる方は多いと思います。しかし、きつく言われたからといって、パワハラになるというわけではありません。なぜなら、叱責は部下の指導としては、仕事上重要と捉えられているからです。
実際に不適切な発言であっても、パワハラと認定されなかったケースも存在しています。しかし、あからさまに部下の人格を否定するような叱責や指導は、パワハラに該当されるということを覚えておきましょう。
感情的に怒る
上司が感情的になり、部下を叱責することがあってもパワハラになるわけではありません。これは、部下に再三注意しても指示どおり動かないなど、明らかに部下に問題がある場合にはパワハラにならないからです。しかし、他の人がいる前で怒鳴ったり何時間も感情的に怒るといった場合は、パワハラになる可能性もあります。
パワハラ上司を生まないための対策
最後にパワハラを発生させないための対策などについて、解説します。下記で解説する対策をしっかりと理解して、職場で役立ててみましょう。
ストレスチェック
会社に属している方は、ストレスチェックを実施した、または受けたこともあるでしょう。ストレスチェックを実施すれば、ストレスを感じている職場や部署が分かるためヒアリングや対策を立てやすくなります。
そして、パワハラの可能性がある上司にヒアリングや注意を実施します。それでも改善されない場合は、社外の専門家に依頼するというのも対策の1つといえるでしょう。特に、古い体質の企業では自浄作用が期待できない場合が比較的多いため、外部機関の介入は必要になるケースがあります。
社内環境の改善
丁寧な言葉遣いを心がけて、高圧的な態度を取らないように社内全体で環境改善を促すというのも、パワハラを未然に防ぐ対策の1つといえるでしょう。このような習慣にすることで、乱暴な言葉や高圧的な態度がない会社になれば、嫌な気持ちを感じる方が少なくなるはずです。
また、会社オリジナルの社内アンケートを行い、日常的にパワハラが発生していないかチェックするというのもおすすめになります。アンケートの策定がうまくいかない場合は、外からの視点でのアドバイスをもらうのも1つの手段です。
まとめ
パワハラ上司には感情の起伏が激しく、自分の評価しか気にしないなどの特徴があります。パワハラの定義は、優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、労働者の就業環境を害する言動の3つがすべて当てはまる場合です。パワハラを防ぐための対策としては、ストレスチェックの実施が有効です。また、社内環境の改善も重要です。また、社内アンケートを通じて日常的にパワハラの発生をチェックすることも効果的です。これらの対策を実践することで、健全な職場環境を維持し、パワハラの問題を減少させることができます。
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引用元:https://www.safetynet.co.jp/
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