
SNSやチャットでのやりとりが主流になった現代、文章の最後に句点「。」があると冷たく感じる、圧を感じるといった声が増えています。こうした違和感やストレスを「マルハラスメント(マルハラ)」と呼び、若い世代を中心に注目されているのです。本記事では、このマルハラが生まれた背景や、対策について紹介します。
CONTENTS
句点「。」が引き起こす新たなストレスのかたち
「マルハラ」とは「マルハラスメント」の略称で、文章の最後につけられる句点「。」に対して不快感やストレスを感じる現象を指します。とくにSNSやチャット、メールなどのテキストコミュニケーションにおいて「了解です。」「ありがとう。」といった一文の末尾に「。」がついていると、相手から冷たく感じたり、距離を置かれているように受け取ってしまうケースがあるのです。
このような感覚を持つ人の中には「。」があるだけで威圧感や圧力を感じるという声もあり、文章表現に対する受け取り方が多様化していることがうかがえます。
マルハラが生まれたのはなぜ?
マルハラが生まれた背景には、単なる好みの違いではなく、世代ごとのコミュニケーションの価値観や、使用するツールの変化が深く関係しています。ここでは、マルハラが生まれた主な要因を3つに分けてご紹介します。
世代間で異なるコミュニケーションのスタイル
若い世代は、SNSやチャットなどの短いメッセージを何度もやりとりしながら、相手の意見や気持ちを確認し、合意形成していく傾向があります。一方、上の世代では、1通のメッセージで結論まで伝えることを重視するため、文末に句点をつけて文章を明確に区切るのが一般的です。
こうしたスタイルの違いが、マルハラの背景にあるといえます。
使うツールの違いによる感覚のズレ
メールや手紙などでは、一度にすべての要件を伝える必要があるため、長文になりやすく、文章の整理として句点「。」が多用されます。対して、チャットでは1文が短く、自然と句点を使わない文化が根づいています。
そのため、チャット慣れした人にとって「。」がついた文章は硬く、冷たく感じられる場合があるのです。
長文と短文、それぞれの受け止め方の違い
長文に慣れている世代にとっては、句読点を適切に使った文章が読みやすく、ていねいな印象を与えるものです。しかし、短文中心のやりとりに慣れた世代では、長文そのものが圧力に感じられることがあります。
その結果、句点の「。」が区切りではなく、冷たさや突き放しとして受け止められ、マルハラと感じるようになったのです。
マルハラは本当にハラスメント?
「マルハラ」が本当にハラスメントと言えるのかは慎重に考える必要があります。ビジネスシーンでは、書類やメールで文末に「。」を使うのは一般的で、ていねいさや礼儀として広く認識されています。
Z世代の中には句点に違和感を持つ人もいますが、それが全員に当てはまるわけではありません。「。が使われている=攻撃的・冷たい」と決めつけて、すべてをハラスメントと捉えるのは過剰反応といえるでしょう。
むしろ、コミュニケーションの多様化に伴い、世代や状況によって感じ方が異なることを理解し、相手の背景を尊重する姿勢が重要です。マルハラを安易にハラスメントと認定するよりも、相手の意図や状況を見極めることが求められます。
マルハラの発生を防ぐには?円滑なコミュニケーションのポイント
マルハラは文章の句点「。」をめぐる誤解やストレスが原因で起こりますが、普段から工夫をすることで防ぐことが可能です。以下では、具体的な対策を3つに分けて紹介します。
相手の立場を考えたやさしい文章づくりを心がける
コミュニケーションでは、相手の感じ方や立場を意識することが重要です。文章の句点「。」が気になる人もいるため、送り手は硬すぎず柔らかい表現を心がけるとよいでしょう。
相手の世代や慣れ親しんだ表現方法を尊重し、必要に応じて言葉遣いや文章の区切り方を工夫することで、不必要な誤解やストレスを減らせます。相手への思いやりが、マルハラを未然に防ぐ第一歩です。
顔を合わせる機会を増やしてコミュニケーションの誤解を減らす
文章だけのやりとりでは感情やニュアンスが伝わりづらく、誤解が生まれやすくなります。対面やオンライン会議など、顔を合わせて話す場を設けることで、表情や声のトーンを通じて意図を正確に伝えられます。
直接のコミュニケーションは信頼関係を築くうえでも有効で、文章だけに頼らないことでマルハラのリスクを減らすことが可能です。
リアクション機能を活用して意思疎通をスムーズに
チャットツールには「いいね」や「スタンプ」などのリアクション機能があります。文章の最後に句点があっても、このような機能で相手の気持ちを伝えたり、理解を示したりすることで、冷たさや圧を感じさせにくくなります。リアクション機能はマルハラ対策の便利な手段です。
まとめ
句点「。」に対する違和感やストレスを表すマルハラは、世代やコミュニケーションツールの違いから生まれた新しい問題です。若い世代のチャット文化と、ビジネスメールのようなていねいな文書文化が交差することで誤解が生じています。しかし、すべての人が句点を問題視しているわけではなく、過剰にハラスメントと捉えるのは注意が必要です。マルハラの発生を防ぐためには、相手の立場に配慮し、顔を合わせた会話やチャットのリアクション機能を活用するなど、思いやりを持ったコミュニケーションが大切です。
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引用元:https://www.safetynet.co.jp/
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