金融業界の就活ハラスメント実態と対策|圧迫面接やオワハラに屈しない「選ぶ側」の視点とは

公開日:2026/02/02
就活ハラスメント

金融業界における就活ハラスメントの実態と背景:なぜ「堅い」業界で起きるのか?

「就活ハラスメント」とは、企業の従業員や採用担当者が、立場の弱い就職活動中の学生に対して行うハラスメント行為のことです。こうした行為が発生すると、学生の入社意欲は大きく低下し、選考辞退や内定辞退につながる恐れがあります。

さらに、ハラスメントが常態化している企業という印象が広まれば、企業イメージや信頼性が損なわれ、採用活動そのものに悪影響を及ぼす可能性も否定できません。就活ハラスメントはあらゆる業界で問題となっていますが、金融業界も例外ではありません。

厚生労働省「令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、インターンシップ中の就職活動では7.9%、インターンシップ以外の就職活動では10.2%が金融業界で発生しています。製造業や卸売業、医療業界に次いで高い水準であり、金融業界においても就活ハラスメントの実態が浮き彫りとなっています。

その背景には、「信頼第一」とされる金融業界特有の文化が挙げられます。上下関係や同調圧力が強く、組織への忠誠心や忍耐力が重視される風土のなかで、過度な圧迫質問や私生活への踏み込みが正当化されやすい側面があります。

「堅実」「堅い」と見られがちな業界であるからこそ、慣習が見直されにくい構造があるといえるでしょう。

金融就活で注意すべきハラスメントの具体例(圧迫面接・オワハラ・セクハラ)

金融業界の就職活動では、業界特有の文化や慣習を背景に、ハラスメントに該当する言動が発生するケースがあります。とくに注意したいのが「圧迫面接」「オワハラ」「セクハラ」の3つです。

ここでは、それぞれの具体例を紹介します。

圧迫面接の例

圧迫面接とは、面接官が応募者に対して強い心理的負担を与えるような質問を投げかけて反応を探る面接手法です。たとえば、経歴や学生の発言に対して否定的な言葉ばかり投げかけたり、質問をしつこく畳みかけたりするといった態度が該当します。

接客業務の多い金融業界では、顧客からクレームを受けることも少なくありません。そのため、理不尽な場面に直面した際のストレス耐性を測る目的で圧迫面接が行われるケースがあります。

しかし、必要以上に威圧的な態度や執拗な追及はハラスメントに該当します。学生の尊厳を損なうような言動は、正当化されるべきではありません。

オワハラの例

オワハラ(就職活動終われハラスメント)とは、内定を出した企業が学生に対して、他社の選考辞退や就職活動の終了を強要する行為を指します。たとえば「内定を出す代わりに、他社の選考はすべて辞退してほしい」「今ここで就活を終えると約束できるなら内定を出す」といった発言が典型例です。

とくに金融業界は内定時期が早い傾向にあるため、学生が十分に比較検討する前に決断を迫られるケースも少なくありません。しかし、就職先を選ぶ権利は学生側にあり、意思決定を不当に縛る行為は問題視されるべきです。

セクハラの例

就活中のセクハラには、大きく分けて「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」の2種類が存在します。対価型セクハラとは、採用担当者が内定をちらつかせて不適切な関係を要求したり、就活と関係ないプライベートな質問をしたりするといった評価に影響を及ぼすハラスメントを指します。

一方、環境型セクハラは、性的な発言・行動によって就職活動そのものが不快なものとなり、能力の発揮に悪影響が生じるハラスメントが該当します。いずれも業務内容に直接関係がなく、性別による偏見を助長するものです。

実際に、大手金融機関において、リクルーター面接と称して女子大学生をカラオケ店に誘い込み、内定をちらつかせてわいせつな行為を行った対価型セクハラの事例も報告されています。

なぜ金融業界は「厳しい」と「ハラスメント」を混同しやすいのか?業界構造の分析

ハラスメントは、個人の資質だけでなく、組織文化と密接に関係しているといわれています。たとえば「社員同士が常に競い合っている」「業務外での飲み会を断りにくい雰囲気がある」という職場では、ハラスメントが発生しやすい傾向があります。

リクルートワークス研究所の調査によると、金融・保険業は他業種と比べて突出して競争が激しい環境とされています。金融商品や生命保険の販売など、明確なノルマが課されやすく、上司からの強い指導やプレッシャーが生じやすい点が特徴です

また「業務外の飲み会を断りにくい雰囲気がある」と回答した割合が最も高かった業種も金融・保険業でした。同調圧力が強く、組織への適応や空気を読む姿勢が重視されやすい業界といえます。

こうした背景から、金融業界では「厳しさ」と「ハラスメント」が混同されやすい構造があると考えられます。顧客の資産を扱う責任の重さから、厳格なコンプライアンス教育や上下関係を重んじる文化が根付いてきました。

その結果、上位者への服従が当然視され、行き過ぎた指導や言動が見過ごされやすくなる土壌が生まれている可能性があります。

もし被害に遭ったら?就活生ができる「身を守るための5つの対策」と相談先

就活中のハラスメントは、被害に遭った本人が声を上げづらく、問題が表面化しづらいという課題があります。ここでは、ハラスメント被害を防ぐための対策と相談先を紹介します。

1対1の状況を避ける

OB・OG訪問や面談では、できるだけ複数人での実施を希望しましょう。1対1の状況は、立場の差を利用した不適切な言動が起こりやすくなります。日中や社内、またはオンラインなどの安全な環境で行うことを心がけましょう。

採用担当者との個人的なやりとりは避ける

SNSや個人の連絡先でのやりとりは、トラブルにつながりやすいため注意が必要です。過去には、内定をちらつかせて採用担当者が個人の携帯メールやSNSを通して連絡を入れてくる事例も報告されています。しかし実際には、一人の社員が就活生の合否判定を決定することはなく、複数の担当者が対応するのが一般的です。

連絡は会社のメールアドレスや採用窓口を通すことを徹底しましょう。

違和感を無視しない

容姿に関する発言や性的な嫌がらせ、食事の誘いなどによって不快感を覚えた時点でハラスメントに該当する可能性があります。違和感を我慢せず、早めに第三者に共有することが大切です。

毅然とした態度で断る

不適切な質問やオワハラに対しては、無理に応じる必要はありません。自分の意思をはっきりと伝え、毅然とした態度で断ることが重要です。

大学のキャリアセンターに相談する

万が一、ハラスメント被害に遭った場合は、大学のキャリアセンターや相談窓口に速やかに相談しましょう。第三者に相談することで、適切な対応や企業への連絡をサポートしてもらえます。

そのほかにも、都道府県労働局「雇用環境・均等部」や総合労働相談コーナー、厚生労働省「ハラスメント悩み相談室」でも相談を受け付けています。匿名での相談が可能なので、安心して問い合わせることができます。

一人で抱え込まず、外部機関のサポートを利用して被害の証拠を残すことが重要です

健全な金融業界の発展と、学生が「選ぶ権利」を行使するために

金融業界における就活ハラスメントは、個人だけの問題ではなく、業界構造や組織文化と深く結びついた課題です。「厳しさ」や「成長」を理由に不適切な言動が見過ごされる環境では、結果として人材の流出や企業価値の低下を招きかねません。健全な業界の発展には、透明性の高い採用プロセスとハラスメントを許さない厳格な姿勢が不可欠です。一方で、就活生自身も「選ばれる立場」ではなく「企業を選ぶ立場」であることを忘れてはいけません。内定をちらつかせて不適切な言動をしたり、他社の選考辞退を強要したりする企業では、安心して働くことが難しいでしょう。違和感を覚えた企業からは距離を置くという判断が将来のキャリアを守る重要な選択となります。万が一被害を受けた場合には、速やかに関係機関に相談し、証拠を残すようにしましょう。本記事が参考になれば幸いです。

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「防止研修」だけでなく「相談員向けスキルアップ研修」が充実
Web講義、eラーニング、マイクロラーニング
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無料セミナーを定期開催(「ハラスメント対策の実践ポイント」等)
アーカイブ配信等の記載もあり

人事労務担当者向けセミナーを定期開催
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アーカイブ配信(録画配信)あり

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「ハラスメント防止」「カスタマーハラスメント」等のテーマ
セミナーレポートの公開あり

定期的なセミナーの開催情報なし
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被害者への心理サポート(カウンセリング)
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人事担当者向け事例相談による対応支援
月間報告による状況把握

「ハラスメン ト行動変容プログラム」(懲戒対象者行為者向け)
被害者への心理的ケア(カウンセリング)
再発防止のための組織改善コンサルティング

「事実調査ヒアリング代行」(第三者の中立的立場で聴取報告書作成)
「行為者行動変容プログラム」(再発防止のための個別教育)
「ハラスメント問題対応コンサルティング」

「事実確認のためのヒアリング(事案調査)対応サポート」
行為者への「行動変容促進コーチング」
被害者へのケアカウンセリング
再発防止策の提言

相談内容の報告(本人希望時のみ)
法律相談サービス(弁護士相談、別契約)
惨事のこころのケア(CISM、事故や災害時等の心理的援助)
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