パワハラという言葉はよく聞くけれど、どんな言動がパワハラに該当するのか判断が難しいとお悩みではありませんか。そこで本記事では、パワハラにあたる用語やパワハラ防止法、言葉以外のパワハラについてくわしく解説します。最後まで読むことで、ハラスメントに対する認識や理解の向上に繋がります。
ハラスメントにあたるNG用語一覧
パワハラとは、職場における優越的な立場を利用した就業環境を害する言動です。ここでは、パワハラにあたる言動を分類して紹介します。
脅迫
脅迫には、解雇をほのめかす、暴力を示唆する、自由や権利を奪う、財産を侵害する、経歴や雇用形態を差別する言動が含まれます。
具体例としては「明日から来なくていい」「お前の代わりはいくらでもいる」「失敗したら許さない」「有給は認めない」「辞めたら同じ業界には居させない」「給料返せ」「Fラン大卒のくせに」「派遣の分際で意見するな」などです。
脅迫的な言動が飛び交う職場では、社員は恒常的な精神的ストレスにさらされ、うつや不安障害などの健康問題を発症するリスクが高まります。
侮辱
侮辱には、能力を卑下する言動などが含まれます。具体例としては「馬鹿」「無能」「給料泥棒」「できそこない」などです。
侮辱的言動が飛び交う職場では、閉鎖的な人間関係が構築され、チームワークが損なわれる危険は高まります。
名誉毀損
名誉毀損には、容姿・国籍・出自の差別、プライベートに立ち入る、プライバシーを暴露するなどが含まれます。
具体例としては「ハゲ」「デブ」「ガイジン」「家族を優先したいなら辞めたら」「水商売をやっていたからできないんだ」「あの人ゲイらしい」などです。
名誉毀損にあたる言動が飛び交う職場では、人権無視やプライベートの暴露が散見され、離職が止まらなくなります。
過度な暴言
過度な暴言には、仕事上の失敗を過度に攻撃することが含まれます。具体例としては「客に土下座してこい」「失敗をみんなに謝罪しろ」などです。
過度な暴言が飛び交う職場では、失敗を許されず、尊厳を傷つける場となるため、休職や離職があいつぎます。
パワハラ防止法とは
大企業に対しては2020年6月、中小企業に対しては2022年4月に、それぞれパワハラ防止法が施行されました。ここでは、パワハラ防止法の概要や目的について解説します。
パワハラ防止法の概要
パワハラ防止法とは、企業にパワハラ防止措置を義務化させる法律のことです。
正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定および職業生活の充実等に関する法律」と言い、略して一般的には「パワハラ防止法」や「労働施策総合推進法」と呼ばれています。
この法律によって、企業がパワハラ防止を目的とした雇用管理を実施する際に、必要な措置を講じることが義務づけられました。
パワハラ防止法の目的
パワハラ防止法施行の背景には「職場におけるいじめや嫌がらせ」に関する相談の増加があります。
全国の労働基準監督署などで受ける「職場におけるいじめや嫌がらせ」に関する相談は、2011年度には45,000件超であったものが、2017年度には72,000件超に急増しました。
こういった背景から、パワハラ防止法が2019年5月に法制化されました。
言葉以外によるパワハラの具体例
パワハラには言葉によるものだけではなく、さまざまなものが存在します。ここでは、言葉以外によるパワハラの具体例を紹介します。
言葉以外によるパワハラ
言葉以外によるパワハラにはさまざまな種類があります。
まず、無視や孤立があり、重要な会議に呼ばれない、社内コミュニケーションから除外されるなどが問題です。また、過度な監視や管理も問題で、頻繁な行動のチェックや細かい仕事管理が含まれます。
さらに、不当な評価や昇進阻害では、意図的に低い評価を受けたり昇進の機会を奪われたりすることが問題です。
過剰な業務負担では、物理的に処理できない量の仕事を押し付けられることが含まれます。不適切な環境提供では、劣悪なデスクや業務機材の不足が問題です。
身体的な威圧では、ドアを乱暴に閉める、物を投げつけるなどの行動が含まれます。
最後に、プライバシーの侵害では、個人のデスクやロッカーを無断で開けたりすることが問題です。これらの行為は職場環境を悪化させ、精神的なストレスや業務遂行に支障をきたす原因となります。
まとめ
この記事では、職場でのパワハラに関するNG用語、パワハラ防止法、そして言葉以外によるパワハラの具体例について解説しました。ハラスメントは単なる嫌がらせではなく、被害者の精神的・肉体的健康に深刻な影響を与える重大な問題です。特に言葉によるパワハラは日常的に見過ごされがちですが、明確なNG用語を知り、その使用を避けることが求められます。
また、パワハラ防止法の理解と遵守は、健全な職場環境を維持するために不可欠です。さらに、言葉以外のパワハラも多岐にわたり、その防止には企業全体での取り組みが必要になります。すべての社員が安心して働ける環境を作るためには、個々の意識向上と組織全体での対策が求められます。今回の知識を活かし、職場におけるハラスメントの防止にお役立てください。
-
引用元:https://www.safetynet.co.jp/
心の専門家集団による"自社専用のハラスメント対策"
株式会社パソナセーフティネットでは、2,000社を超える企業や団体の導入実績を誇るハラスメント対策サービスです。ハラスメントの予防から相談対応、事案発生時のケアまで従業員と人事担当者をトータルでサポートできることを強みとしています。